vol.6 絵本作家 柴田ケイコさん

たくさんの「こと」や「もの」があふれる今、作り手の想いと使い手の心がつながる奇跡。

瀬戸内の小さな町で暮らし、ここにある風景、文化、素材と向き合い、ものづくりにこだわりと 情熱を注ぐ作り手の方々をご紹介します。
彼らの美意識やものづくりの喜び、遊び心などが詰まった言葉を大切に集めてそれぞれのストーリーを発信していきます。

6回は、kitahama blue storiesでも絵本が子どもから大人まで大人気、高知県在住の絵本作家 柴田ケイコさん。最近では人気のTV番組「セブンルール」でも取り上げられるなど、全国で注目が集まっています。絵本作家になられたきっかけや作品づくり、これからのことなどをお伺いしました。

 




ー絵本作家になられたきっかけは?
もともとはデザイン会社に勤めていて、イラストレーターとして14年くらい活動していました。息子が小さい頃に弱視ということがわかって、病院に行った時にめがねの絵本がなくて、少しでもメガネはかっこいいものだよっていう絵本が作りたかったのと、また同じような悩みをかかえる親子にも読んでもらえる、そういう絵本が作りたいと思ったのがきっかけです。
絵本なんて作ったことがなかったから、どこの出版社がいいか全然わからなくて。 それで、お世話になっている手紙社さんに相談に行きました。そしたら、せっかくだからうちから出しましょうと言ってくださって、最初の絵本「めがねこ」ができました。


ー昔から絵本はお好きでしたか?
私の時代は、両親が働いていたので親に読み聞かせてもらうというより、保育園の先生が読み聞かせてもらった感じです。絵本は絵がメインでしょう。だから絵本は昔から好きでしたね。


ー絵を描くのも小さな頃から?
そうですね、女の子とか、お姫様とか、普通の女の子がみんな描くような絵をただ描いてましたよ。ずっと絵を描くことは好きで、大学も美術一択でした。
卒業してデザインの会社で仕事をしたり、印刷のオペレーターとして働いたりしていました。


 

 

ー「めがねこ」にモデルはいますか?
「めがねこ」はもともと、小学生の男の子が主人公で考えていました。でもそれだと話が暗くなってしまって・・・。そこで手紙社の北島さんから「柴田さんは動物が似合います」って言ってくださって。
それで、「めがねめがねこ」でねこが主人公になりました。
モデルはいますかってよく聞かれるんですよ。「柴田さんってこんな方なのかな?」ともよく言われます。笑
「めがねこ」は一応設定はおじさんです。笑


ー「めがねこ」はとてもインパクトのある絵ですよね。
かわいい猫の絵本はたくさんあるから、印象に残る絵にしたくて・・・。シワがあって、なんでも話したくなるでしょう!


ー憧れの絵本作家さんはいますか?
長新太さん、馬場のぼるさん、大島妙子さんです。 絵もストーリーも大好きです。


ー絵と文章はどちらを先につくりますか?
最近では登場するキャラクターとテーマにあったプロットづくりから始めていきます。あとは編集者さんと相談しながら進めていきます。

 

 

ーアイデアはどんなところから浮かびますか?
例えば「おいしそうなしろくま」は、私が食べるのがすごく好きだから、 こんな食べ物にしろくまがいたら面白いだろうなとか、 子どもが好きそうだなって思う食べ物とか。そこからどんどんシリーズが続いていきました。とにかく妄想するのがすごく好きです。

ポメちゃん以降は大変でした笑。アイデアはいつも日々の生活から。こどもの世界って家が中心なんですよね。
それでもネタ切れで、アイデアが浮かばなくて、すごく大変でした。
編集者さんにもアドバイスをもらったり相談しながらできた絵本です。 文章を考えるのはすごく難しいですが、読み聞かせをしてみて読みやすさや、リズム、テンポなどを大切にしています。


ー印象的な色が素敵です。色の選び方はどのように決められていますか?
基本的には、ひらめきや直感かな。塗りながら決めていく感じです。 海外の絵本のような原色の色が好きです。 たくさんの色を使うわけじゃないけど、パッと目を引くような色を使うことが多いですね。



ー絵本以外にもこけしや一輪挿しなどを作られていますが、アイデアはどこから湧いてきますか?
グッズが好きなんです!
雑貨屋さんで働いたことのあるくらい雑貨が好きなんです。
初めて個展をしたとき、自分の家のプリンターでポストカードを印刷して持っていったんですよ。そしたら思ったより多くの人が手に取ってくれて。それがすごく嬉しかった!
展示会に行ったときに、何か持って帰れるっていいですよね。こけしや一輪挿しもその延長線上です。

せっかく展示会に足を運んでいただくのだったら、 一点モノならではの魅力と、特別なワクワク感を感じられるものを用意したくて。
絵やポストカードとかの紙ものと立体の違いは、隠せないところかな。失敗できないというか。
元々デザインをやっていたので、なんでも自分で作れてすごく楽しい。名刺ひとつでも自分で作れます。



ー読者との交流で印象に残っていることをお聞かせください。
ファンレターもよく頂きます。一番うれしかったのは、メガネのJINSさんに「めがねこ」を全国の店舗に置かせてほしいと言ってもらえたことです。今はコロナ禍で、絵本を片付けている店舗もあるかもしれませんが、そのときはとても嬉しかったですね。
さらには、JINSさんから「めがねこ」のカルタを作りたいとお話をくださって、子どもたちが目の健康を学ぶカルタを作っていただきました。自分の想いが届いたんだと、すごく感動しました。あとは、お子さまから一生懸命書いたお手紙に、なるべくお返事はお手紙でするようにしています。


ー絵本作家としてやっていく決めてになったのはどの作品ですか?
やっぱり「めがねこ」かな。デビュー作はすごく私にとって大切な作品です。


ー煮詰まった時のリフレッシュ方法はありますか。
落語をきくこと!笑  あとは、映画を見たり、外に出て歩くことですかね。マラソンもやっていましたが、もう今はやっていなくて!家が仕事場なので、なかなかON/OFFの切り替えはむずかしいですね。
でもずっとこの生活なのでもう慣れっこになってしまいました(笑)。 子どももいるし、集中していても仕事中に部屋に入ってくることもあって「あぁっ」てなりますけどね。笑



ー今後、チャレンジされたいことはありますか?
人間の絵本を描いてみたいです。
人間が主人公の絵本はまだ描いたことがないので。


ー将来、柴田さんのようにイラストレーター、絵本作家になりたい方へアドバイスをお願いします。
描きたいと思ったら、とにかくなんでも描いてみる。
あとは外に出ていろんな人に会う、いろんな作家さんの展示会に足を運んだりすることかな。
私自身、外に出るのは嫌いじゃなくて、人との出会いがあって今があるなとすごく思います。


ー今回の展示会の意気込みを聞かせてください。
今回は広い展示会場なので、たくさん原画を持って来ちゃいました!
絵本の原画をゆっくりみてほしいです。絵本と実際の絵の違いを見てもらいたいですね。
そして、窓にもたくさんのパネルを貼らせていただいたのと、顔出しパネルを持って来たので顔はめなど楽しんで、明るい気持ちになってもらえたらと思います。



たくさんのイラストたちが、海辺のギャラリーを気持ちよさそうに泳いだり、飛んだりして遊んでいる、とってもチャーミングな展示会場に仕上げてくださいました。顔出し看板や手づくりのグッズ、絵本以外の原画などお楽しみがいっぱい。柴田さんはみんなをワクワクさせる天才です。柴田ケイコワールドをこの機会にぜひ体感しにいらしてくださいね。