
夢の続き
楠の塊から、形を削り出し、漆器の工程(布張り、下地、塗り重ね)
塗り重ねた色は、おおよそ20回ほどの塗り重ね。
蒟醤の彫りを応用して、模様の彫りこみ。
夢の中のぼんやりとした雰囲気を出すために、沈金で金と銀を着色。
うねりくる思考と闇の中から、夢が瞬きながら湧き上がってくる。
子供のころ、寝なさいと言われて、目をつむるけど、頭に中はクルクルと回り、
瞼にはチカチカと光が飛び交っていた。
その飛び交う光は、段々と頭中のクルクルに混ざりこむ。
いつしかそれは、一つにまとまり小さな小さな丸い光の点になる。
これは何だろう?と覗き込むと、少し膨らんだ光の中から不意に始まる映画のような夢。
さながら、真っ暗な映画館の中で、スクリーンにフラッシュする、意味の解らない数字と、
メモリから始まるコメディーのような感じ。
素材 楠
技法 彫漆(こき彫り)沈金
制作期間 1年
※展示会終了後の発送となります。

