誰かを想い、つくる日々
市原吉博

2021年8月6日~9月5日開催のSETOUCHI LIFE DESIGN MARKET 販売作品に関する記事です。






香川の美しい和三盆づくりに、なくてはならない菓子木型。この木型を作られているのが、菓子木型職人・伝統工芸士 市原 吉博さんです。

現在、菓子木型を制作している職人は全国で6~7人、四国では市原さんお1人だけになってしまったそうです。












江戸時代から季節の香りを日本人に届け続けてきた和菓子、その舞台裏で連綿と受け継がれてきた木型は、そのものが美しい芸術品です。

さろんぶるーのオープンの際、讃岐の工芸やデザインなど「ここにしかない文化」を集めた空間を作りたくて、菓子木型を求めて、工房をお尋ねしたことがはじまりです。
話を聞いてくださり、心よくご協力いただき、貴重な木型を飾ることができました。

市原さんの工房を訪ねると、そのアーティスティックな手さばきと、フリーハンドで彫り進める職人技に心を奪われます。






そしてなにより止まらないのが市原さんとの楽しいおしゃべりの時間。全国から依頼がありお忙しい中で、菓子木型の魅力や木型を通じた出会いのことなど、いつも気さくに話してくださいます。

あるときには、宮城で震災の被害を受けた老舗和菓子店との交流の話、木型に関心を持ち国内外から訪ねてくださる方々とのふれあいの話、さまざまな企業やお店、アーティストから特別な依頼や相談が舞い込んできた話。。。

長年、菓子木型づくりの仕事に打ち込み、真摯に向き合ってきた市原さんだからこそ辿り着いたもの、見える風景を語ってくださいます。今はコロナで困難の中にある常連さんのお役に立つこと、また各地で銘菓として愛され続ける和菓子を支える、大切な木型をメンテナンスして、長く使っていただけるようにしたりと、毎日木型を彫り続けておられます。

誰かの役に立つ目の前の仕事に、きちんと向き合い、丁寧に積み重ねることの大切さをいつも教えてくださいます。







コドモデザイン教室でも工房見学と和三盆づくりにご協力いただき、子どもたちと工房を訪ねました。市原さんの手さばきをみていると、みんなの目がみるみる輝きます。

娘さんが営む和三盆教室 豆花さんにもご協力いただきました。











今回は、ゲスト作家として、参加してくださいました。
市原さんの木型を展示致しますので、その繊細な技と小さな和三盆に描かれたデザインをご覧ください。
和三盆の日和制作所さんの作品と合わせてお楽しみください。











菓子木型職人・伝統工芸士 市原 吉博

1946年3月19日香川県生まれ

1968年家業の木型の卸業に従事
1973年木型職人として彫り始める
1999年香川県の伝統工芸品に菓子木型が指定され、
同時に私自身が県の伝統工芸士の認定を受ける
2004年11月25日厚生労働大臣より、卓越技能章
「現代の名工」の授与を受ける。
2006年11月16日黄綬褒章拝受

『豆花』代表・講師 上原 あゆみさん
1974年 高松市に生まれる
2009年 「豆花」設立
2012年 ロサンゼルス裏千家ワークショップ開催
2017年 ロンドン JAPANソサイエティー、ジュネーブ、ハイデルベルクにてワークショップ開催
2018年 台湾・上海・ミュンヘン・チューリッヒにてワークショップ開催。

https://www.kashikigata.com/

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